POIC WORKSHOP Vol.3

POIC WORKSHOP VOL.3

なかい歯科クリニック勤務 歯科衛生士

福島朋美

「健康の女神」歯科衛生士

口腔内予防 プロに聞く、お口のお手入れ

口腔内予防が大切なポイント! プロに聞く、お口のお手入れ

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 歯が痛くて我慢できなくなってから歯医者さんへ飛び込むなんてことがありました。
痛みが治るとお口のなかは忘れられ、数年後、人によっては数十年後に、また駆け込むことになり、もっとはやくメンテナンスしておけばよかったと気づいたときには、大切な歯とお別れするしかなくなってしまいます。
 近年では予防医学の大切さが見直され、歯科予防医学は飛躍的な進歩を遂げています。
口腔内環境を整えることで全身の疾患予防に繋がることは、いまや医療分野では通説です。
歯を失う2大疾患といえば、むし歯と歯周病ですが、このどちらも細菌による感染症です。
感染症は予防ができます。
大切なことは口腔内環境を常に細菌から守ること。
歯科医院での治療やメンテナンスも勿論ですが、自宅でするホームケアが重要なポイントになります。
その予防歯科に欠かせない助っ人が、歯科衛生士です。

生涯、健康ライフのパートナーとして味方につけておこう

 ところで歯医者さんで必ずお世話になるのが歯科衛生士ですが、歯科衛生士ってどんなおしごとかご存知でしょうか。
歯科衛生士は解剖学や病理学など、医学の基礎や口腔衛生学の知識と技術を身につけ国家資格を持っています。
歯科医師の指示に基づいて、患者さんと歯科医師の間に立って診療内容をわかりやすく説明したり、診療内容や結果を的確に伝えることで治療の向上に努めています。
歯科衛生士は「歯科衛生士法」に定められた業務があります。
具体的には、歯科医師の指導のもと、歯に付着した歯垢や歯石を器具を使って除去したり、予防薬を歯に塗布して、むし歯や歯周病の進行や発生を防いだりの予防処置、患者さんのお口の中をチェックしてどこを磨き残しやすいのか、どのように磨いたらそこの菌が取り除けるのか、なぜ歯についた汚れを取らなければいけないのかなど、健康な歯やお口のなかを保つために患者さん一人ひとりに合わせたメンテナンスをしてくれています。
また食事のことや生活習慣についてのアドバイスもしてくれます。
衛生士を知らない存在のままにしておくのはもったいない。
彼女たちを味方につけておきましょう。
こんなこと歯医者さんにはちょっと聞けない……なんてことも気軽に相談できたり、自宅でするお口のケアのこと、口腔内予防についての情報を教えてもらいましょう。
個々に合わせたアドバイスをしてくれると思います。
歯科衛生士が健康ライフのパートナーであれば、幾つになっても、キレイで健康な歯を生涯を通して保ち続けるられます。

なかい歯科クリニック勤務 歯科衛生士 福島朋美

ベテラン歯科衛生士の福島朋美さんに聞きました

継続は必ず、結果に
結びつくと患者さんから
教えていただいています

なかい歯科クリニック勤務 歯科衛生士

福島朋美

 歯科衛生士になって9年目になります。
地元の歯科衛生士専門学校で学び、歯科衛生士の国家資格を取りました。
私の頃は専門学校や短期大学、大学で2年勉強したのち、国家試験を受けるのですが、より実践の経験を積むためや研修時間の確保もあって勉強期間は3年になりました。
私がまだ学生だったころ、衛生士のおしごとがどんなものか具体的にわかっていなかったんです。
ただ歯科医師のお手伝いをしたり、歯石を取ったり、お口のなかのお掃除をする程度にしか考えてなかったので卒業まじかの3か月研修中は結構苦労しました。
いまから思えば、勉強不足はもちろんですが、衛生士というお仕事に関する情報不足でしたね……。

継続は必ず、結果に結びつくと患者さんから教えていただいています 

 8年来通ってくださる患者さんがいます。
ご高齢の方ですが、とてもお元気で見た目も10歳は若く見えます。
なんでも美味しく食べられて、ご自身の歯もほぼ残っています。
衛生士からすれば優等生みたいな患者さんと言いたいところですが、私自身が彼女から元気とやりがいをいただいていると思っています。
 なかには、歯をなくされたのに、その後の治療に来院されず、痛いところだけ治療すれば良いという患者さんもいます。
でも3年後にお口のなかを診させていただくと、1本、また1本と抜けた状態です。
8年来おつきあいしている患者さんと同世代なのですが、歯のある方とそうでない方では容姿までも違って見えます。

「白衣の天使」といえば看護士、歯科衛生士は「健康の女神」です

 定期の患者さんなら、お口のなかを診せていただいただけで、その方の環境の変化やからだの不調が伝わってきます。
たとえば結婚して食生活が変わったとか、いままでの仕事を辞めて転職したなど、前回来院された際の状態と比べると、「あっ何か生活環境に変化があったのかな?」て。
衛生士は患者さんの生活面にも関わっているんだなぁ、と思うと、「生涯健康な生活はお口のなかから」のお手伝いができたらすてきだなっと思っています。
 病気をすれば病院へ行き、看護士さんのお世話になります。
でも病気が治ればわざわざ病院へ行く人はいないでしょうから、看護士さんが、その後の患者さんの経過に携わることはないかもしれません。
でも、衛生士は、治療が終わってもずっと関われるというか、再発しないよう悪くならないよう5年でも10年でもお付き合いしていけます。
患者さんの健康ライフに貢献できる「健康の女神」でいたいですね。(笑)

院長とスタッフと長崎の研修旅行にて

院長とスタッフと長崎の研修旅行にて

口腔感染症予防に役立てる自宅での感染症予防の指導員・ホームケアアドバイザー

 はやくから「なかい歯科クリニック」では口腔ケアを通して飛沫感染対策や感染症の合併症予防をしてきました。
その一環としてクリニックにエコシステムが導入されたことをきっかけに、POIC研究会で勉強をはじめ、ホームケアアドバイザーの資格を取りました。
 歯科医師や衛生士、受付・歯科助手・スタッフ、あらゆる医療に関わる立場の人がいて、とても勉強になります。
 ホームケアアドバイザーは、「口腔感染症予防に役立てるため、日常のホームケア(自宅での感染症予防)の指導をすることで、患者さんの健康を取り戻す」を目的としていて、ホームケアアドバイイザーは「POIC研究会認定資格」です。
私は3年前に、ひとつ上のシニアアドバイザーの資格もとりました。
シニアアドバイザーは、幾つかのセミナーで日頃の成果を発表する場をいただくのですが、これがすごく勉強になり人間的な幅を広げることができました。

なかい歯科クリニック勤務 歯科衛生士 福島朋美

お口のなかの検査結果を確認することで、予防やメンテナンス、ホームケアの大切さを

 うちのクリニックでは、初めて来ていただいた方のお口の中の状態の診査診断を行います。
衛生士は歯周病の治療を行うので、歯周病になっているかどうかのリスク判断のための検査をします。
その検査結果を基に歯周病やむし歯などの状態を確認します。
ただ検査をして「歯周病です」と、あとは治療しておしまいではありません。
 きちんと治して、なお良い状態が長続きするための提案をしています。
 歯周病やむし歯の治療は完全完治で終わってしまうことのない疾患です。
再発しないためにも予防プランを立てることも大切です。
そのためには患者さんからの食生活、生活環境などの情報を得て治療に役立ています。

歯周病の予防・治療

お口の中には約700種類の細菌が住んでいます。
普段はあまり悪いことをしませんが、お口の中が汚れた状態だったり、砂糖を過剰に摂取したりすると細菌がネバネバした物質を作り出して歯の表面や歯ぐきの粘膜にくっつきます。
これが歯垢(プラーク)です。歯垢は複雑なバイオフィルムを形成し、粘着性が強いので、少々のうがいや通常の歯磨きをしても落ちません。
またこの歯垢(プラーク)の中には10億個の細菌が住みついているといわれています。
一つひとつの細菌は病原性が弱いため単独で疾患を起こすことはないのですが、混合感染することで、歯周病やむし歯といった代表的な疾患を引き起こします。
 歯周病やむし歯も、細菌感染による疾患です。
そこで大切なのは予防ということになります。
口腔内には500〜700種類くらいの常在菌が住みついています。
一口に菌と言っても常在菌の中には善玉菌も悪玉菌もいます。
歯垢が溜まってくるとそこに悪玉菌と呼ばれる細長い桿菌が多くなり歯周病菌やむし歯菌が増殖しやすい環境ができてしまいます。
口腔内の常在菌を優位にして悪玉菌を増やさない、付着させないよう口腔内環境を整えることが大切になります。
診断、治療と定期的なメンテナンスで、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)をためない、増やさないが基本です。

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つい忘れがちな入歯のこと

入れ歯に付着する菌が臭いや菌の温床になります。
1日に1度は入れ歯洗浄剤を使ってのつけおき洗い、汚れ落しのブラッシングをしましょう。
市販の歯磨き剤のなかには研磨剤が含まれているものがあります。
研磨剤入りで磨くと入れ歯に傷がつきます。
ブラシはやわらいものを、できれば入れ歯専用ブラシを使い、金属部分はやや固めのブラシで汚れを落とします。

人工歯も同様なケアが必要

入れ歯やインプラントといった人口歯といっても、お口のなかのケアは必要です。
人工の歯はむし歯になることはありませんが、お口の中の環境をしっかりコントロールしないと歯周病など細菌による炎症を引き起こします。
たとえばインプラント周囲疾患は、毎日のケアが不十分だったり定期的なメインテナンスを受けずにいると、歯垢(プラーク)がお口の中に停滞し歯周病原細菌が増殖してしまいます。
自分の歯(天然歯)と同様にお口のなかのケアに心がけましょう。

HOME CARE ホームケア

家でもできるPOICウォーターを使った簡単なケア方法をご紹介します。
自宅でもお口の中のお手入れを習慣にしましょう。
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POICホームケア用「タンパク分解型除菌水」

 タンパク分解型除菌水は院内での治療水はもちろん、診察台に備え付けてあるうがい用洗浄水として使用している除菌水と同じのものを、ホームケア用にppmを調整してあります。
体由来の成分でできていますので安心してお使いいただけます。
 POIC研究会では、各医院で最善の医療を提供できるよう、治療前に全ての患者さんにセルフケアとしてタンパク分解型除菌水を使って口腔内殺菌を行い、除菌された口腔環境を整えた状態から治療を始めます。
セルフケアは、そのまま毎日のホームケアとして継続していただくためPOICウォーターを治療の一環として使用する場合は、歯科医院にご相談ください。

Professional Oral Infection Control

専門的口腔感染症制御

臨床データ

POICウォーターを使った歯周病治療

POICウォーターを使った歯周病治療は従来型の歯周治療よりも効果があり短期間で治癒へとつなげることが可能となったことに、驚きと喜びを感じています。
患者さんの信用信頼を得るためには、しっかりとしたコンサルテーション・処置後のメンテナンスシステムが重要になってきます。
POICウォーターを使用したメンテナンスは長期的予後を確立し、患者さんがメンテナンスの重要性を理解し、継続来院していただく上でも大変意義のあるものです。
そして、スタッフ全員が同じ志をもち共通の認識の上、治療とメンテナンスを行っていくことで、診療所内でのスタッフのモチベーション・スキルアップへと繋がり、患者さん満足度も高くなっていることを実感しています。

FMD治療と分割治療の患者30人に対する再評価時のPDDの比較)表
POIC治療導入前後のメンテナンス率の推移 表
POIC治療導入前後診療内訳の推移 表

POIC Topics

いつ社会問題化するかわからない

歯科診療ユニット内 汚染を食い止める

 最近の歯科医院に対する患者様の評価は厳しいものがあり、医療技術は元よりその前段階の医療安全についても高い関心を寄せるようになりました。
 多くの歯科診療ユニット内を流れる水は想像を絶する汚染が進んでおり、もしこの事実がマスコミに流れ、インターネットを通じて情報が拡がった場合、歯科医療業界が窮地に立たされるのは火を見るより明らかです。
 一方この事実が歯科医師会雑誌(日本歯科医師会雑誌Vol.61 No.92008-12)にも掲載されたにも関わらず、早急に手を打たねばならないと思っている歯科医師の数も残念ながら多くはありません。また、2015年8月25日付の読売新聞夕刊に下記の記事が掲載されました。
 この現実に直面した時、ゾッとする思いがするのと歯科医院を信頼してくださる患者様方に申し訳ないと感じます。
 POIC®研究会の会員は当たり前の事として、ユニットを流れる水の管理に気を配り、患者様、医療提供者双方の感染予防に努めて頂きたいと重ます。
 そしてもし、マスコミにこのような情報が流れた時でも、しっかり感染予防対策を打ってありますと胸を張って言えるように準備をしておいてください。
 もう一つは専門的口腔ケアを通して、口腔内の感染症と口腔からの合併症の効果的予防方法を基準化する事です。

POIC®(専門的口腔感染症予防)研究家HPより
*法律では水1ccあたり菌が100個以内でないといけません。
*調査:米国CBS(1999)・米国ABC(1999)・東京医科歯科大学(2000)日大の治療水調査(2001)など多数報告。
POIC®研究会認定施設は当会の定めた厳しい「歯科用ユニット治療水の細菌数『0』基準をクリアしています。

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