ポイックニュースvol.6

poic-news vol.6
照沼 裕 先生
東京クリニック
照沼 裕 先生
特定非営利活動法人
POIC®研究会臨床顧問
日本バイオセラピー研究所所長
東京クリニック副院長

全身の健康に強く関わりがあるとされる口腔ケア。それは、がんに対しても例外ではないようです。今回は、東京クリニック副院長の照沼先生に、がんと口腔ケアの関係性を伺いました。NK細胞の働きといった学術的なお話を中心に、がんとの戦いにおける口腔ケアの役割と重要性を理解することができます。

がんと闘う体内のお巡りさん「NK細胞」を知る。

がんと口腔ケアのつながりを知る前に、体内で直接的にがんと闘う「NK細胞」のことをまず理解しましょう。
ナチュラルキラー細胞のことを略してNK細胞と呼んでいます。NK細胞は、私たちの体内に存在する免疫の一種で、がん細胞に対する免疫力が高く、体内のがん細胞を取り締まる「お巡りさん」のような役割を果たしています。つまりこの「お巡りさん」を増員したり訓練したりして、体内の警備をより厳重なものにすることでがんに対抗できると考えました。そのため当院では、がんの治療、もしくは発生を抑制するために、患者さんの血液を採取した後、血液中のNK細胞を培養し、体内に戻すという免疫細胞療法を行っています。

NK細胞を活性化する=がんを遠ざける。

2000年、NK細胞と発がん率ついて、埼玉県のがんセンターにて興味深い調査報告がありました。40~80歳の3625人の男女を11年間追跡したところ、NK細胞の活性が低い人は、通常及び高い人に比べ2倍近くの人ががんを発病したのです。このことから、がんを予防するための1つの要因として、NK細胞の活性の高さが重要であると言うことができます。
また、がん治療のため患部の切除手術を行うと、術後1週間はNK細胞の活性が著しく低下するのです。つまり、その期間はがんの転移が非常に起きやすい状態になってしまいます。マウス実験で、術後のNK細胞の活性を高めた群とそのままの群を比較すると、やはりそのままの群はがんの転移がより多く見られたという報告もあります。

埼玉県の住人3625人(40歳以上)の11年間の追跡調査

歯周病で「お巡りさん」が不足。

NK細胞活性のがんに対する有効性は、逆のパターンでも見受けられます。
「お巡りさん」であるNK細胞は歯周病に対しても働くのですが、その間はがんに対する働きが手薄になってしまうのです。例えば、体内に100人の「お巡りさん」がいるとします。通常は全員でがん細胞を取り締まっているのに、歯周病対策に50人が向かったら、がん細胞対策は残りの50人で行わなければなりません。歯周病による口内の炎症面積は手のひら1枚分といわれており、実に多くのNK細胞がある意味無駄に使われてしまうのです。がん細胞は、毎日体の中で数千個生まれているといわれています。NK細胞をしっかりとがん細胞へ働きかけさせるため、日頃から歯周病予防を中心とした口腔ケアを心掛けることは、がんの予防という観点においてもとても大切なのです。
アメリカで約5万人を18年間追跡した調査でも、歯周病の人は発がんリスクが有意に高くなるという結果が出ています。他にも、口腔ケアによるがん手術後の合併症発生率の低下や、口内炎・肺炎の抑制、食事や会話の潤滑化など、口腔ケアの有用性は枚挙にいとまがないほど多くの事例が報告されています。

NK細胞を増加&活性化させるために。

普段から心がければ、私たちの生活の中にもNK細胞活性を高める手段が多々あります。質の高い睡眠、バランスのとれた食事、ストレスを溜めないこと、笑うこと、森林浴など、その方法はさまざま。特に「笑う」に関しては、口に箸を挟み、無理やり口角を上げるだけでも効果があるといわれています。おおまかには「規則正しい生活」を意識することが手っ取り早いかもしれません。また、その最たるものとして挙げられるのが口腔ケアなのです。前述の「NK細胞の無駄使い」を防ぐため、普段からきちんと口腔ケアを行うことが大切です。「POIC®ウォーター」なら、日々簡単に、効果的な口腔ケアを続けられますし、私も毎日取り組んでいます。もはや口の健康は、全身の健康にとっても非常に大切なことなのです。

口腔ケアが、先制医療の最先端にある。

国内の平均寿命は年々延びているなか、健康寿命とは約10年もの開きがあります。それは、病気が進行してから対処することに終始しているから、ということも一因と言えるのではないでしょうか。そのため、発病を予防するという「先制医療」の考え方がもっと広く認知される必要があると考えています。
だからといって、病気でもないのに病院へ行く機会はあまりありません。そこで歯医者さんだと私は思うのです。検診など気構えずに行くことができますよね。そこで定期的に口腔ケアを行えば、免疫という観点から見ても、がんを含めたさまざまな病気の予防につながると思います。未来の先制医療は、歯医者さんから始まるのです。

定期的な口腔ケア

当院は、安心の治療水と安全設備が整った「水のきれいな歯医者さん」です。

当院は、安心・安全な歯科治療水を使用している安全施設認定歯科医院です。また治療前消毒や日常へのホームケアに、口腔の汚れを分解・除菌するPOIC®ウォーターを推奨しています。口腔ケアや歯周病と全身の健康に関しても、わからないこと、知りたいことがありましたら、どうぞお気軽にスタッフまでお問い合せください。

水のきれいな歯医者さんステッカー

このステッカーが「水のきれいな歯医者さん」の目印です。