東京都荒川区 相田歯科・耳鼻科クリニック院長
POIC研究会理事長
相田 能輝 先生
これからの歯科に、病を防ぐという使命を。
歯だけでなく「人」を治療する相田先生に、その治療方法や想いの変遷などを伺いました。
20万円のセミナーを無駄にして得た大切なもの
現在当院では、歯科の他に内科や耳鼻科、歯科あしゆび外来などを設け、治療や指導も歯科としての範疇を大きく超えた診療を行っています。
それは、患者さんの歯を治療するだけではなく、その「人」を治療したいという想いがあり、歯科にできることを追求している姿勢からなのです。
以前は当院も通常の歯科でしたが、こんな想いを抱く、大きなターニングポイントになった日がありました。
何度か噂を耳にし、気になっていた先生が登壇される無料セミナーの開催を知ったのですが、その日はすでに参加費20万円の別のセミナーに申し込みを済ませていました。
当日、会場に向かう直前までどちらに行こうか迷っていたのですが、やはり何か特別な予感がして、20万円のセミナー参加を取りやめ、もう一方に参加することにしたのです。
登壇したのは、今井一彰、堀田修の両先生。
お2人が主に話されていたのは病巣疾患のことでした。
病巣疾患とは、口の中や鼻の奥などが、細菌感染などで病原となり、一見して関係なさそうな体の部位の病気を引き起こしてしまうことなのです。
ただ、これは逆に考えれば、口の中をしっかりと治療し清潔に保つことで、多くの病気の元を断つということにつながります。
例えば、歯を治療したところリウマチの症状が改善したといった報告事例など、数々の目から鱗の話に衝撃を受け、まさにこれこそ、私のやりたい医療、やらなければいけない医療だと強く感じたのです。
口呼吸→鼻呼吸を実践しアトピー性皮膚炎を改善
口と体が関係しているという病巣疾患の考え方がわかりやすく成果を挙げた例として、当院女性スタッフのKさんの話をします。
Kさんは、幼少よりアトピー性皮膚炎に苦しみ、顔から首にかけては常に赤く腫れ、また、春になれば花粉症にも悩まされていました。
抗アレルギー剤を飲んではいたのですが、そのときだけは良くなっても、根本から改善される気配はなかったと言っています。
それがなんと、数年前に口呼吸を鼻呼吸に変えただけで、それらの症状が見事に改善されていったのです。
当時、鼻呼吸の大切さを提唱する今井先生自ら当院に来ていただく機会があり、Kさんは直接指導を受けました。
今井先生の勧めはいたってシンプルで「鼻で呼吸しなさい」というもの。
病巣疾患や口呼吸のリスクなどの話を聞いたKさんは「口で呼吸するのが正常だと思っていました」と言うほど衝撃を受け、まさに自分のためにある治療だと感じたそうです。
具体的な指導内容は、鼻での呼吸をしやすくするための口と舌の簡単なエクササイズ「あいうべ体操」、生理食塩水での鼻洗浄、寝る前に口にテープを貼って鼻呼吸を習慣づける、の3つ。
実践後すぐに効果が出始め、おかげで約20年ぶりに薬を飲まずに過ごせるようになったと、大変な驚きと同時に喜びを噛み締めていました。
Kさんは「この体験をもっと多くの人に伝えていかなければいけない」と、使命感に燃えています。
これは「専門は”歯”ではなく、”あなた”です」という、現在の当院の理念が生まれるきっかけとなった出来事でした。
以来、当院ではスタッフ全員が、鼻呼吸の大切さなど歯の治療以外のことも積極的に患者さんに伝えているのです。
歯科治療で小どもたちの将来を担保したい
私の父、祖父は接骨院を、祖母は助産師として昼夜を問わず働いていました。
私にとって医師をめざすことは自然な環境でした。
ただ若い頃、人の命を背負うという事実にはどこか消極的で、そんな考えから選んだ道が歯科医師だったように記憶しています。
でも今、歯だけでなく積極的に「人」を治療しようとしている自分がいるのは、なんだか不思議なものですね。
歯科医を開業した当時、小児の虫歯が放置されている現状が目についたことから、これまで小児の治療に注力してきました。
最初は需要が多いからという理由でしたが、今では病巣疾患の予防という観点から、できる限り早い時期から関わることで、その子の将来を担保してあげたいという気持ちになっています。
口まわりの健康は小さい頃から習慣にしてしまえば、大人になってからの病気のリスクを大きく減らすことができると確信しているからです。
来院された患者さん全員が笑顔で帰れるように
もちろん、治療環境にも細心の注意を払っています。
医療の世界には「First, do not harm.(何よりも患者さんに害をなすなかれ)」という、医療倫理を示す有名な一節があります。
歯科治療における細菌感染のリスクを限りなくゼロに近づけるために、当院ではPOIC研究会の除菌水を導入。
これは、すべての歯科治療のベースとなるべきものであり、今後確実に広めていかなければならないものの一つであると考えています。
また、これからは患者さんの「心」が非常に重要なテーマになってくると思っています。
病気の人は決まって暗い顔をして病院を訪れます。
そんな人でも、笑顔で帰れるようにしてあげたい。
この想いが、私のこれからの歯科医師としての大きな指針となっています。
そのためにも、口は多くの病の入り口となっていること、そして、それはしっかりとケアをすれば防ぐことができるということを、少しずつでも広めることで、病気に苦しむ人を減らしていけたらと考えています。
歯医者って、他の病院よりも躊躇せずに行けるような気がしますよね。
要は、病院としてのハードルが低いんです。
よって歯医者は、医療の入り口と言えるのかもしれません。
そこで私たちがめざしたいのは、病の入り口である口の健康を保ち、将来の病を防ぐ守り人。
歯科の可能性は、この先まだまだ広がっていくはずです。
1991年に相田歯科クリニックを開業。とある医療セミナーで病巣疾患の考え方に感銘を受け、以来試行錯誤を繰り返しながら、医科歯科連携の幅広い治療を行ってきている。2014年には、日本病巣疾患研究会の理事に就任。著書には「医者は口を診ない、歯医者は口しか診ない」などがある。
先生が日々実践されていて、皆さんにオススメできる健康法をご紹介します。
福岡県「みらいクリニック」院長今井一彰先生が考案。舌を正しい位置に納め、口呼吸から鼻呼吸へと改善させることを目的とした口の体操です。これにより、雑菌の侵入・繁殖を防ぎ、さまざまな病気の予防・改善に効果があるとされています。
口を大きく「あ~い~う~べ~」と動かすだけ。ぜひ気軽に取り組んでみてください。
ポイント1 できるだけ大げさに、声は少しでOK!
ポイント2 1セット4秒前後のゆっくりとした動作で!
ポイント3 1日30セット(3分間)を目標にスタート!
ポイント4 顎に痛みのある場合は「い~う~」でもOK!
取材で訪れた土地の名物や名所を少しだけ紹介。地元ならではの価値ある情報をギュッと凝縮してお届けします。
飛鳥山公園
飛鳥山駅下車すぐ。園内には3つの博物館に加え、無料モノレールや本物のSL展示などがあり、都民の憩いの場となっている。花見の名所としても知られ、春には約650本の桜が咲く。
新型車両
2015年の8900形、2016年の7700形と、都電荒川線の新型車両の導入が相次いでいる。どちらも安全性や利便性の改善、エネルギー効率の向上などを目的としている。
あらかわ遊園
荒川区が運営する遊園地で、入園料や1つのアトラクション利用料はなんと200円以下。「日本一遅いジェットコースター」も有名で、特に子どもたちに大人気のスポット。
この中に「母ちゃん、母ちゃん、おなかと背中がくっつくぞ」という歌詞があります。
これが毎日続いてはさすがに酷ですが、適度な空腹感『腹八分目』がさまざまな健康をもたらすと、今その効果が改めて見直されています。
食事で満腹になると消化器官に血液が集中するため、皮膚や末端組織への血流が滞り、肌荒れやシミ、シワなどの老化現象を進行させてしまうとのこと。
マウスを使った実験で、食べ放題のマウスと食事量80%のマウスを比較したところ、「腹八分目マウス」は寿命が1.6倍以上も長かったという報告例もあります。
また、現代病の一つである糖尿病のリスク回避にも、腹八分目は有効なようです。
体内の血糖を下げるインスリンはすい臓で作られます。
満腹が長い時間続くとすい臓に負担がかかり、いつしかインスリンの生産量が低減、その結果、血糖値が上昇するのです。
腹八分目を意識することで、すい臓に十分な休養を与えることができ、ひいてはわたしたちの体を糖尿病から守ってくれるのです。
触れているモノに、もう少しだけ近づいてみませんか?
それはきっと、あなたの新しい文化となり、未来を豊かにしてくれるはず…。
…これは中国にある諺ですが、古くから釣りは世界中の人々の生活に直結していると共に、諺・格言・詩など、様々な教えや気付きを与えてくれる奥深い文化としても親しまれています。
海に囲まれたこの国も、様々な楽しみ方に溢れています。
水辺で過ごすのが気持ちいい季節、暑さや日差しが和らぐ明け方や夕方、海や川へと向かいませんか。
アクティブに魚を追う、知的に駆け引きを楽しむ、またはキャンプや船・ボートなどで複合的に遊ぶ…。
絶え間ない川の流れを見つめ、その音を聞きながら物思いに耽ったり、刻一刻と表情を変えていく朝焼けや夕焼けの海に心を奪われて「無」になる、そんな過ごし方もまた素敵です。
はじめの一歩、まずは「ここから」。
❶何をたいせつにするか?
じっくり魚を追うのか、ゆったりした時間を過ごすのか、何かのついでなのか? 目的によって、選ぶ場所や道具も変わります。
❷場所を選ぶ
海、川、湖。この国自体が魅力的なフィールドである事にあらためて気付くはず。
❸まずは近くで
身近にも必ずスポットが…。まずは気軽に、思い立ってすぐ行ける場所から。
❹竿を選ぶ
海なら堤防用の小振りの竿にリール、川ならシンプルな振出し竿さえあれば始められる。
❺道具を揃える
場所と狙う魚に合った道具・餌を釣り具店で聞いてみるのも楽しみ。子供用のセットからでも充分。クーラーBOXも忘れずに。
❻楽しむ心
釣れなくてもイライラせず、釣り過ぎず、マナー良く! 川の深みや潮の干満にも注意!
❼一緒に行きたい人
一人もいいですが、いると尚良し!
❽お楽しみ
もちろん、釣れた魚はその場で〆て、食卓へ。
捌き方を覚えるのも楽しいですが、釣り魚持ち込みの居酒屋なんてのもあります。
一人で深くハマることも、誰かと気楽に楽しむこともできる魅力的な遊び。この夏、「充実した」という最高の気分を手に入れましょう。
「未来ニブンカ!」コラムと一緒に、実際の「味わい」もお楽しみください。
潮の満ち引きは緩やかで、いつもとは時間の流れ方があきらかに違う。「朝」は薄暗い頃からじわじわと明るくなる間(ま)に、「夕」はだんだんと色づいてゆく空の色に囲まれていく。
確かに時間の流れを実感する過ごし方なのに、そこに縛られていない自由で穏やかな気分になれる。人が計り始めた時間ではない、自然な時の流れ…。これは、得体の知れない「時間」という概念に追われる私たちにとって、実に本来的で贅沢な出来事なのではないか?そんな想いに、足取りも軽くなる帰り道であった。