POIC WORKSHOP Vol.6

POIC WORKSHOP VOL.6

歯科治療水安全認定施設・歯科医院/ドクター・臨床検査技師紹介

中田歯科医院

中田朋宏・中田宏美

POICウォーター効果を数値で確認
一生を通じて、健康な口腔内を支援

中田歯科医院 中田朋宏

デンタルDr. 最前線

一生を通じて、
最先端の予防技術で
健康な口腔内を支援

中田歯科医院 院長

中田朋宏

1986年 大阪歯科大学卒業 青山歯科医院勤務
1988年 米国ウィスコンシン州マーケット大学歯学部 研修
1989年 中田歯科医院 副院長
2003年 中田歯科医院 院長
2008年 日本顎咬合学会 認定医
  • 米国パンキーインスティテュートレベル1~5 修了
  • ALD(Academy of Laser Dentistry)レーザー学会:カテゴリーⅡ 認定
  • プラズマレーザー研究所会 レーザーインストラクター
  • 国際歯周内科学研究会 認定医
  • 日本口腔感染症学会 認定医
  • 日本顎咬合学会 認定医
  • 日本糖尿病協会 歯科医師登録医
  • 日本臨床歯周病学会 会員
  • 米国歯周病学会 国際会員
  • 日本レーザー医学会 会員
  • 日本レーザー歯学会 会員
  • 日本歯科保存学会 会員
  • 日本口腔検査学会 会員
  • 日本接着歯学会 会員
  • 日本歯科審美学会 会員
  • 日本口腔リハビリテーション学会 会員

住所:大阪府大阪市中央区日本橋2-12-1 電話:06-6641-1478

www.dental-nakata.com

日本口腔感染症学会認定医と臨床検査技師
最強のパートナーが提供する安心、安全と信頼

一日、2万3千人もの人でにぎわう黒門町市場の一画に位置する中田歯科医院。黒門町市場はマグロの専門店やふぐ、くじら、お肉、フルーツと最近まで地元の市場としてプロの料理人が仕入れに行く市場という印象が強かったそうですが、近年は外国人観光客にも人気があり大阪を代表する観光名所になっています。そこで中田朋宏院長にお話しを伺いました。

忙しい市場にあっても納得のいく治療を提供したい

当院には黒門町市場でお店をされている患者さんも多く、忙しい合間にお店を抜けてくる方もいて、時間の確保をしてあげないといけない。患者さんにとって大切な時間ですからね。私はどうも要領よくとはいかない性格ですが、必要最低限の説明は必ずしています。口腔内の状態や治療内容については納得のいくまで説明しますし、この治療にどれくらい時間がかかるかわかりますので、時間内にしっかり治療してあげたいと思い完全予約制にしています。そうすることで患者さんも安心して治療を受けていただくことができます。

写真
写真

もう一歩踏み込んだ説明と同意インフォームドセレクション(選択)

最近は日本でも「インフォームドコンセント」という考え方が広まり始めています。「治療を受ける際、十分な説明を受けた上での同意」ということですが、医師と患者さんの関係のなかで、これが十分に浸透しているかどうかです。その治療に関してあまり深い知識がないまま治療内容を説明されても、ほんとうに自分にとってよかったのか、この治療を選択してよかったのかは難しい選択だと思います。インフォームドコンセントには、医師側が決めたことに同意してもらう(させる)感を強く感じますし、「いやです」なんて言える雰囲気でもない。一方、「インフォームドセレクション」は、患者さんの側に「選ぶ主体のある説明方法」と考えています。そのため治療に入る際は、多少時間がかかりますが、患者さんにわかるよう説明をさせていただくようにしています。患者さんご自身が選択されることで、治療にも前向きに取り組んでいただけると思っています。大切な自身の体のことですからね。

写真

最先端の治療技術を提供できるよう常に習得を心がける

じつは私自身、顎関節症で大学病院や他の歯科医に診てもらったことがあるのですが、どうも納得がいかず、前院長に無理を言って米国マーケット大学歯学部にてオブザーバーとして在籍しながら、パンキーインスティテュートで学ぶ機会を得ました。パンキーインスティテュートは、ドクター・パンキーから学んだ歯科医師たちの寄付によって設立され「知っている事と臨床で行われるギャップ」を講義と実習で学び、臨床レベルを向上させることを目的とした卒後教育機関でプロの歯科医としての治療全般はもちろん、患者さんに接する対応、歯科医師しての生き方も学びました。患者さんの治療にあたり、私自身、納得できなければ患者さんの気持ちを理解することも信頼を得ることもできないと思っています。

生涯を通じた口腔内支援を

プラズマレーザー研究会では、光と水のサイエンス・レーザーのインストラクターとしてレーザー治療の臨床と実習を担当しています。院内感染予防のためのエコシステム(連続除菌システム)とPOICウォーター(次亜塩素酸水)、ストリークレーザー(乳液や空気で組織を冷却できる無痛治療)と、この3種の神器とスタッフの協力で院内感染対策を徹底することで、歯科治療に大きな成果をあげています。
患者さんの一生を通じて健康で健全な口腔内の支援と温かい対応のできるホームドクターとしてあり続けたいと思っています。

写真
中田歯科医院 事務長 中田宏美

中田歯科医院 事務長

中田宏美

  • POIC研究会・理事/インストラクター
  • 大阪大学医療技術短期学部
  • 衛生技術学科(現:大阪大学医学部保健学科 検査技術科学専攻)卒業
  • 大阪医療技術学園 生理機能検査学講師
  • 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター
  • 難治性肺疾患研究部治験管理研究室 臨床検査技師
  • コミュニケーション能力開発機構認定メンタルコーチ・心理セラピスト
  • 日本レーザー歯学会 会員 日本口腔検査学会 会員

臨床検査技師だからこそ伝えたい。
お口の中の状態を数値や画像化で客観的にお話しする

臨床検査技師のおしごと

臨床検査技師は、患者さんの身体の状態を知るため、医師の指示のもとさまざまな検査を行う仕事で、「検体検査」と「生理機能検査」があります。私の専門は生理機能検査です。以前は兵庫医科大学病院で研究業務に携わっていたのですが、臨床検査技師として歯科医療の現場でも役立つのではないかと現役復帰しました。現在は大阪医療技術学園専門学校で非常勤講師、近畿中央胸部疾患センター難治性肺疾患研究部治験管理研究室の臨床検査技師をしながら、当院では、スタッフとともに患者さんに口腔内の状態を説明しています。

口腔内の状態を知ることで治療の成果を実感できる

以前は口腔内感染症(歯周病)と糖尿病や心筋梗塞といった疾患との関連性について問題視されていませんでしたが、近年では歯周病の治療を徹底することで糖尿病のコントロールが明らかになり、歯周病は「糖尿病の合併症」ともいわれています。
歯周病は細菌感染が原因なので糖尿病の人は健康な人に比べて歯周病にかかるリスクが高くなります。歯周病の治療を徹底することで炎症物質の分泌が抑えられインシュリンの働きが正常に戻り血糖値の改善が期待されるといいます。
患者さんのなかには重い糖尿病の方もいらっしゃいますが、お口の中の状態と血糖値との関連性について理解している方はほとんどいらっしゃいません。とはいえ臨床検査の数値を読むためには、それなりの知識が必要ですし、ヘモグロビンA1c(赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す数値)……と言われても、医科の専門分野のことはよくわからないし、数値をよむのは難しいですよね。歯周病も糖尿病も自覚がないため、しっかりケアしないと症状がよくなったり悪くなったりを繰り返してしまいます。

具体的な数値で説明する

どうすれば医療知識がなくても、分かりやすくお話しできるか、理解してもらえるだろうかと考え、たとえば「磨き残しがありますよ」など抽象的な説明を数値による具体的な提示にしてみようと思いました。
患者さんに位相差顕微鏡などを使って口腔内の状態(細菌等)を画像で見てもらい、歯周病ケアの一環としてPOICウォーターの使用前後の数値をお見せすることで、口腔内の状態を数値で納得していただいています。お家できちんとケアできていないと次に来院されたとき数値として表れますし、きちんとケアされている方は、やはり数値でもよくなっています。

集合写真

ポイックアドバイザー:左上から丸山笑美子さん(次回取得予定)、西出梓乃さん、羽川瑠璃さん、中田宏美さん、一柳裕見子さん、東川友紀子さん、院長

POICウォーター(次亜塩素酸水)の優れたところは、
タンパク分解能力と殺菌力の
2つの性質を持った除菌水であること

中田歯科医院 事務長 中田宏美
POICウォーター

POICウォーターのすごいところは、2つの性質を持った除菌水だということです。その特徴のひとつがタンパク分解能力と、もうひとつが殺菌力です。

他の機能水であれば、まずタンパクを分解し、他の殺菌水を使って殺菌をする2つの工程をしますが、POICウォーターは、タンパク分解ののち殺菌、と口の中で勝手に変わってくれるという点です。

POICウォーターを口に含んだ状態pH9(アルカリ寄り)でタンパク汚れを分解しはじめます。さらにクチュクチュと30秒間すすぎ磨きでタンパク汚れに反応して、お口のなかは中性〜弱酸性に寄っきて、黄色い矢印辺り(資料1)から殺菌力が増えてきます。それを表したのがルドルフのグラフです。

POICウォーターはタンパク分解洗浄の主役である次亜塩素酸イオン(OCL‾)約487.5ppmと消毒の主役である次亜塩素酸(HCLO)が約12.5ppmの計500ppm、そのうちのタンパク分解能力(約96%)が、タンパク汚れに次亜塩素酸イオンを約70%消費し、口腔内が中性〜酸性に傾くことにより次亜塩素酸となります(資料2)。

タンパク汚れは歯の表面より、むしろプラークにあるため、一度の洗浄だけでは落としきれません。患者さんに染め出しを使って歯の汚れを説明する場合は、一度にプラークを落とすことはできない旨、深いところのプラークはプロのケアの必要があることなど、もう少し突っ込んだ説明をする必要があります。

ここでもう一つ、口をすすいだ時にでるクロラミン臭ですが、POICウォーターが臭いと勘違いしている方がいます。クロラミンはアミノ基(-NH2)と塩素(CL₂)が反応したもので、もとはアンモニア(NH3)、これはタンパク質からきていています。汚れのひどい方はクロラミン臭が強くなります。

そこでPOICウォーターですすぐ前に「嗅いでみてください」と声をかけ、POICウォーターが無臭であることを確認していただくといいと思います。1回目より2回目とタンパク汚れが落ちてニオイも薄くなるはずです。

資料1
資料1
資料2
資料2

POICウォーターの効果を検証

口腔内細菌検査

口腔内には大きく分けて好気性菌(こうきせいきん)と嫌気性菌(けんきせいきん)が存在します。好気性菌は、酸素が存在する部位でのみ生きることが可能な細菌です。嫌気性菌は、酸素が存在する部位では生きるのが困難な細菌です。歯周ポケット内部に存在するプラークの中に生息する細菌のほとんどは、歯周病の原因となる嫌気性菌です。

写真
カンジダアルビカンス(カビ菌)

カンジダアルビカンス(カビ菌)

口腔トリコモナス(原虫)

口腔トリコモナス(原虫)

Treponema denticola(T.d菌)

Treponema denticola(T.d菌)

Redcomplex(レッドコンプレックス)口腔内に生息している細菌のうち、歯周病との関連性が最も高い3菌種をP.g菌、T.d菌、T.f菌。Fusobacterium nucleatum(F.n菌)
線状の長いグラム陰性嫌気性菌。Prevoterlla intermedia(P.i菌)P.g菌と同じ属に入り、P.g菌とともに存在することが多い菌。

図

位相差顕微鏡で菌を特定することはできませんが、桿菌とか球菌、スピロヘーターが見られます。それをPCR法(〈Polymerase Chain Reaction〉DNAの断片を増幅する方法)で確認しました(資料3)。

初診のKさんは、時間の都合がつかず初診後、治療に入るまで2か月ほど空いてしまいましたが、お家でPOICウォーターを使用していただきました。途中(5・10)に来院された際を見てみるとT.f菌が増えています。これは、自宅でのケアで歯周病の深いところまでPOICウォーターが届かず除菌されなかったということがわかります。

POICウォーターに触れたところでは細菌が減り、触れていない深いところでは菌が取りきれていないことがわかります。(5・24)治療を再開し、T.d菌、T.f菌が明らかに減少しました。

初診Oさん

初診Oさん

POICウォーター洗口後(Oさん)

POICウォーター洗口後(Oさん)

初診Kさん

初診Kさん

POICウォーター洗口後(Kさん)

POICウォーター洗口後(Kさん)

POICウォーターを1週間使用(Kさん)

POICウォーターを1週間使用(Kさん)

口臭検査

写真

口臭を気にされる方も多くいます。口臭だけに限って測定します。口腔ガス中の主要口臭成分とされる揮発性硫黄化合物(VSC)を3要素ガス(硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイド)に分離し、その濃度を測定します。患者さんにシリンジ(注射器)を1分間くわえてもらい、口腔ガスを溜めます。

口臭認知聞値(いきち)以上の41名をPOICウォーター洗口前後にて、口臭測定したところ、口腔内の汚れからくるH₂Sは明らかに低下。歯周病の原因であるCH₃SHもかなり低下しましたが、消化器系の(CH₃)₂Sは、ほとんど変化しませんでした。これにより口臭にもPOICウォーターによる洗口が有効であることがわかりました。

図
POIC使用前(左) 使用5日後(右)

POIC使用前(左) 使用5日後(右)

カンジタ菌検査:口腔内上皮を採取し恒温槽で48時間培養後、カンジタ菌のコロニー状態を判定

カンジタ菌検査:口腔内上皮を採取し恒温槽で48時間培養後、カンジタ菌のコロニー状態を判定

資料4

POICウォーター洗口後(資料4)

(資料4のB)

(資料4のB)

資料5

POICウォーター洗口後(資料5)

(資料5のB)

(資料5のB)

一つ目の山(A)が硫化水素でお口の中の汚れ、(B)がメチルメルカプタン(CH3SH)といって歯周病の原因となるニオイです。(C)はジメチルサルファイド(CH3)2S)は消化器系(胃や腸の中)からの臭いとかお薬に関係するニオイです。患者さんにわかりやすいよう数値化しています。黄色いラインが口臭として気になるかのボーダーラインです(資料4のB、資料5のB)。

味覚検査

味覚は生存にかかわる大切な器官です。味には、甘味・塩味・酸味・苦味と最近では旨味も加わり5味から構成されます。これを電気味覚計を使って味覚の状態を調べてみました。いちばん反応が良いとされる葉状乳頭(資料6)にセンサーを置いて電流を流し、味がしたかどうかに反応してもらいます。味としては金属のような味がします。その数値を閾値(感覚や反応や興奮を起こさせるのに必要な最小の強度や刺激などの(物理)量)として決めておきます。次にPOICウォーターでうがいしてもらった後、再度センサーを置いて測ってみました。あきらかにPOICウォーターでうがいをした後のほうが、低刺激で味を感じました。これはお口の中の汚れ(タンパク汚れ)が分解され、より味を感じるようになったと思われます。
味覚検査部位(資料6)
味覚検査部位(資料6)
味覚検査部位(資料6)

味覚検査部位(資料6)

POIC Topics

いつ社会問題化するかわからない

歯科診療ユニット内 汚染を食い止める

 最近の歯科医院に対する患者様の評価は厳しいものがあり、医療技術は元よりその前段階の医療安全についても高い関心を寄せるようになりました。
多くの歯科診療ユニット内を流れる水は想像を絶する汚染が進んでおり、もしこの事実がマスコミに流れ、インターネットを通じて情報が拡がった場合、歯科医療業界が窮地に立たされるのは火を見るより明らかです。
一方この事実が歯科医師会雑誌(日本歯科医師会雑誌Vol.61 No.92008-12)にも掲載されたにも関わらず、早急に手を打たねばならないと思っている歯科医師の数も残念ながら多くはありません。また、2015年8月25日付の読売新聞夕刊に下記の記事が掲載されました。
この現実に直面した時、ゾッとする思いがするのと歯科医院を信頼してくださる患者様方に申し訳ないと感じます。
POIC®研究会の会員は当たり前の事として、ユニットを流れる水の管理に気を配り、患者様、医療提供者双方の感染予防に努めて頂きたいと思います。
そしてもし、マスコミにこのような情報が流れた時でも、しっかり感染予防対策を打ってありますと胸を張って言えるように準備をしておいてください。
もう一つは専門的口腔ケアを通して、口腔内の感染症と口腔からの合併症の効果的予防方法を基準化する事です。

POIC®(専門的口腔感染症予防)研究家HPより
*法律では水1ccあたり菌が100個以内でないといけません。
*調査:米国CBS(1999)・米国ABC(1999)・東京医科歯科大学(2000)日大の治療水調査(2001)など多数報告。
POIC®研究会認定施設は当会の定めた厳しい「歯科用ユニット治療水の細菌数『0』基準をクリアしています。

写真